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iPod(5G)ボイスレコーダー化計画
 

 このところ、仕事でインタビューのようなことをする機会が多く、そのたびにテープレコーダーを持って出かけている。今どき、こうした仕事でテープレコーダーを使っている人は少ないのだろうと思いながらも、手持ちの録音機器がそれしかないので、仕方なく使っている。

 テレビのニュース番組などを見ていると、路上などでコメントする人に向けて、たくさんのボイスレコーダーが向けられていることがある。ずっと昔、多くの場合それはマイクロフォンであったが、次第にコンパクトなカセットテープレコーダーになり、そのうちマイクロカセットレコーダーになった。そしてこのごろでは、どの記者もがボイスレコーダーを使っている。

 ボイスレコーダーを持っていないので詳しいことは知らないが、どうやらこの機器は、音声をMP3などの形式に圧縮し、データとして保存するらしい。つまり機器の中にテープは入っておらず、デジタル式の記憶媒体が入っているのだろう。ちょっとググってみると、256MBのメモリを持つタイプで、最長35時間ほど録音できるらしい。ただしこれはモノラル録音だし、音質もよくないと思われる。良い音質で、さらにステレオで録音すると、同じ機器で4時間ほどになるという。

 会議とかインタビューを録音する場合、人の話す言葉が聞き取れればいいのでステレオの必要はないし、音質もそれほど良くなくてもいい。となれば256MBの容量で十分だと思える。

 これくらいのスペックで価格は20,000円程度。う~ん、ちょっと触手が動かない。なんだか「高い」気がするのだ。単なるボイスレコーダーに、これだけのお金を掛ける気には、どうしてもならない。

 実は以前、私もボイスレコーダーを手に入れようと考えたことがあった。いろいろ調べたのだが、上記のような理由でどうしても買うところまでいけずにいたところ、iPodをボイスレコーダーにできるという話を聞いた。これはいいと思った。

 うちには三人の息子がいるが、三人ともに、iPod mini、iPod nano、iPod shuffleと一つずつ持っている。shuffleの所有者に至っては小学校6年生だ(兄貴のお古だが)。ところが父親である私は、iPodを持っていない。買おう買おうと思いながら、なかなか踏み切れないでいたのだが、「ボイスレコーダーになる」となれば、仕事でも使える。必要経費に計上できる(笑)。よし買おうと思ったのだ。ところがだ。

 iPodをボイスレコーダーにするには、周辺機器であるiTalkなどが必要になる。しかし現在、販売されている、いわゆる5G(第五世代)のiPodでは、iTalkが使えないのだ。これではせっかくiPodを買っても、純粋に音楽やPodcastを楽しむだけになってしまう(それはそれでいいのだが・笑)。というわけで、ずっと二の足を踏んでいたのである。

 第四世代のiPodを買えば、iTalkを使うことができる。しかしもう店頭では、そんな古いiPodを売っていない。中古や新古を探すと、あるにはあるのだが、古い割には安くなっていない。「古いものを買うのに、この金額を出すのは、ちょっとなあ……」と、また二の足を踏んでしまうのである。

 で、今日(2006年4月21日)、偶然、ある機器を見つけた。iPodの周辺機器で、5G専用(それ以前のiPodでは使えない)のボイスレコーダー機器だ。名を「MicroMemo」という。アメリカのXtremeMac(エクストリームマックと読むのだろう)社が作っているもので、5GのiPodのおしりにくっつけて使う。スタンドのようなマイクが付いているが、取り外すこともできるという。つまりほかのマイクを使うこともできるのだ。さらにこの機器は、ドックコネクタにつながっているため、高音質な録音が期待できる。なんでも5GのiPodは、録音機能がアップされているようで、44KHz/16Bit録音が可能という(以前からそうだったのかどうかは知らないが)。44KHz/16Bitといえば、CD音質と同等なわけで、これならなんの文句もない。さらに小さなスピーカーが付いているので、簡単にプレーバックもできる。これはいい。

 ということで、さっそくこれを手に入れ、ついでに(笑)iPodも買って、ミュージック&ボイスレコーディング環境を構築しようと画策したのだが、いかんせん、MicroMemoは、まだ日本では発売されていない。アメリカでは1月ごろから販売されているようで、日経の記事によれば、3月以降に日本で売られるという。今はもう4月後半だから、もしかしたら売られているのかと思い、調べてみたのだが、どうも出ている気配がない。ということで、製造元のXtremeMac社から直接買おうと思ったが、アメリカ合衆国内にしか発送しないもよう。それじゃあと販売店を探したら、日本ではフォーカル・ポイント・コンピュータ社が扱うことを知った。さっそくフォーカル・ポイントのサイトを見たが、まだ販売されていないもよう。う~みゅ。ここまでか……。

 ということで、5GのiPodボイスレコーダー化計画は頓挫してしまったが、MicroMemoが日本で販売される日は、そんなに遠くない気がする。そのときはぜひ、再度この計画を遂行しようと考えている今日このごろだったりするのだ。
 

[後日談(2006.9.10)]

 XtremeMac社のMicroMemoが、日本のアップルストアでも買えるようになった。8月ごろから発注できるようになっており、当時は納品までの4~6週間かかるとされていたが、今(9月10日時点)では2~3週間になっている。まあ、発注してもすぐに手に入るわけではないが、それでも着実に入荷時期が短くなっているわけで、今月末ごろには、即納になるのではないかと踏んでいる。

 ということで、XtremeMac MicroMemoの購入計画が再燃した。今、ほかとも合わせてアップルストアに見積書を依頼中。それが届き、銀行が「うん」と言ったら(笑)購入の予定だが……。

 改めて仕様を見てみると、外部マイクの接続や、スピーカーによるプレーバックだけでなく、ライン入力ポートも付いているらしい。最近アップルストアにお目見えしたBelkin TuneTalk Stereoも、5GのiPodをボスレコーダーにすることができ、結構人気商品になっているようだ。こちらも外部マイクが使えるし「その他オーディオデバイスを使用して録音も可能」とあるので、ライン入力ができるのかもしれない(未確認)。しかしスピーカーがないのである。iPodをはじめとするMP3機器は、多くの場合、イヤーフォン等で音声を聞くしかなく、知人と一緒に音声を聞こうとうするとき、まどろっこしい思いをするわけだが、XtremeMac MicroMemoならその点もクリア。ということで、BelkinはやめてXtremeMacにしようと思っている今日このごろである(でもあの、ニョキっと突き出したマイクが長いから、マイクポートの接触等が早く悪くなるかもしれないという危惧はあるのだけど……、ま、いいか)

[後日談その2(2006.10.21)]

micromemo.jpg なんやかんやと言いながらも、iPod(80GB)と、MicroMemoを手に入れた。これで念願の「iPodボイスメモリー化計画」が完了した(と思う)。喜びもひとしおだ。

 操作も簡単だし、録音した音声は、iTunesが自動的に拾い上げてくれる。ただしライブラリのミュージック内に入ってしまうので、ほかの音楽と一緒に再生すると、聞きたくもない仕事のインタビューが流れたりしてちょっと嫌だ。シャッフルにしておいた日には、お気に入りの音楽に続いてインタビューのだみ声が聞こえたりして、まさに興ざめ。気をつけねばなるまい。

 いろいろ試してみたが、まあ、使い勝手はいい。音質も「高」にしておけば、なかなか聞ける。ただ、スピーカーが鳴らない。もしかしたらiPodが最新なので、対応していないのかと思ったりもしたのだが……。やはりこれは、メーカー問い合わせになるだろう。下手をすると、製品を送り返して、また送ってもらって……などになるかもしれない。こんなことをやっていると時間が過ぎてしまい、結局「iPodボイスメモリー化計画」の完了が、また延びてしまうかもしれない……。

[後日談その2(2006.10.25)]

 スピーカーから音が鳴らないため、日本代理店の丸紅インフォテックに問い合わせることにした。でもその前に、サイトに何か書いてあるかもしれないと思って、同社のサイトチェックをしたが、何もナシ。う~ん、仕方ないなあ。それじゃあ、メールで問い合わせてみようと思った。で、実際にどういう状況かを再確認するために、もう一度、MicroMemoをつなげて試してみた。と、どうしたことだろう。今度はちゃんと音が出るじゃないか。う~みゅ。

 いろいろ試したところ、どうやら、MicroMemoの中央にある銀色のボタン(Xの文字あり)を押しながらiPodに差し込むと動作が不安定になるらしい。押さずに(横を持って)挿入すると、ちゃんと動くのである。

 それにしても、どうも不安定だなあ。マイクとか本体とかがしっかり装着されていないと、録音がされなかったりする。まあ、しっかり取り付けるのは当然だけど、でも見た目ではしっかり付いているのに動かなかったりするのだ。ま、とりあえずは録音できることが分かったし、スピーカーも鳴るようになったので「よし」としよう。

 次は、Line入力を使って、CDでない音楽(テープとかMDとか)をiPodに入れるってのを試してみようかと思っている。

copyright : Masaru Inagaki(20060421)

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