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G5の自己主張
 

 数日前のことでした。いつものように事務所で仕事をしていると、愛機PowerMac G5が、なんだか大きな音をたてています。ごーって。おいおい、どうしちゃったんだ?と思って見ると、どうやら冷却ファンの回転数が上がっているようです。てことは、負荷のかかる作業をさせているってこと?と思い、改めて画面を見るのですが、何もやらせておりません。もしや、ウイルスにでも感染して、裏で何かが動いている?と思いましたが、そんな様子はなし。

 そこで、はたと気が付きました。もしかしてG5君も暑いのか?と。

 G5は、その静粛性が評判でした。うちの事務所にあるG4(Quick Silver)は、スイッチを入れたとたん、大きなファンの音がし、ずっと、うるさいまま。でもG5は、とても静かです。ただ、G5も、ものすごくうるさくなるときがあります。それは、コンピュータに負荷のかかる作業をさせたとき。能力のすべてを出し切ろうとするかのように、一生懸命動き、その結果、冷却ファンもすごい勢いで回転します。

 要は、コンピュータ内の発熱が問題なわけで、温度が上がれば自動的にファンの回転数が上がる仕組み。でも温度上昇は、何もコンピュータの中からだけとは限らないのです。そう。6月だというのに、真夏のような連日の暑さに、G5が音を上げて、ファンの回転数を上げだしたようです。

 そこで、エアコンのスイッチをオン。しばらくすると、部屋が涼しくなってきます。それに合わせるかのように、G5の音も静かになっていきました。

 「な~んだ。やっぱり暑かったのか。それにしても、自己主張の強いやつだなあ」

 などと文句を言いながらも、自分も涼しくなってラッキー。エアコンを入れるタイミングをG5が知らせてくれるとは、なんともうれしい話。これで「あんまりエアコンを使うと、電気代もかかるし」という思いも、「コンピュータが壊れちゃうといかんからね」という大義名分ができて、これまたラッキー。

 と書いているハナから、G5君のファン音が少し大きくなってきました。現在、午前10時40分。しょうがないなあ。コンピュータが壊れちゃうと困るから、エアコンを入れるかあ……と、ニヤニヤしながら立ち上がる私なのでした。

copyright : Masaru Inagaki(20050627)

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ショートストーリーを中心に、しょーもないコラム、Mac系コンピューター関連の思いつきつぶやきなど、さまざまな「読み物」を掲載しています。
20世紀に書いたものもあり、かなり古い内容も含まれますが、以前のまま掲載しています。