Reading Page

 
other
謹賀新年
 

 とうとう2005年になってしまいました。今年もよろしくお願い致します。

 ということで、今年、初めのこのコーナーは、私がお送りした年賀状に掲載した文をご紹介したいと思います。


 「受験勉強ばかりやってるヤツの気が知れない」今年受験の18歳・長男が、自分の成績を棚に上げて言う言葉に「俺もおまえの年にはそう思った」と相づちを打つ父。「やっぱり電車通学がいいなあ」と、高校選択に本末転倒な希望を口にする中学3年の二男の言葉に「それもいいなあ」と納得してしまう妙な父。長男・二男のダブル受験に臨んで、父である私は、ひたすら能天気だ。本当なら「その成績で大丈夫か?」とか「もっとおまえに合った学校があるんじゃないか?」みたいなことを言うべきかもしれないが、どうもそういう気にならない。たまたま(妻が骨折したため)行った高校の進路懇談会で、担任教師相手に「すべて本人に任せておりますので」とだけ言って帰ってくる父である。

 じゃあ、父は息子たちの受験に無関心かといえば、そうではない。父は結構、このイベントに臨む子供たちの言動を楽しんでいる。受験批判や、学校へのささやかな批評を口にする子供たち。「結構、言うようになったなあ」と思い、「俺もそうだったなあ」と思う。これが意外に楽しいのである。揚げ句の果てには、小学校4年生のおとなしい三男も、少しずつ正常な批判眼を身につけ、口にするようになっている。三つの違った世代、違ったステージでの言動や思考を同時に見聞きできるのは、自分の過去との照らし合わしも含めて、思った以上に楽しい。子供が三人いるからこそなのかもしれないが、となると妻に感謝しなくてはならないだろう。

 金はかかるがその分、子育てってのは面白いなあと、やっと思えるようになった48歳の父である。

copyright : Masaru Inagaki(20050103)

読みもののページ

ショートストーリーを中心に、しょーもないコラム、Mac系コンピューター関連の思いつきつぶやきなど、さまざまな「読み物」を掲載しています。
20世紀に書いたものもあり、かなり古い内容も含まれますが、以前のまま掲載しています。