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尻切れのHighway Star
 

 今朝方、車に乗って某社へ出かけた。朝から車に乗るのは珍しい。途中、ラジオでZIP-FMを聞いていたのだが、8時20分過ぎごろ、突然、懐かしいイントロが流れ出した。単調なドラム。ひび割れた音のオルガン。そして……。う~ん、DEEP PURPLEのHighway Starだ。

 あれは私がまだ高校生のころだ。一年後輩の連中が、文化祭でPURPLEのメドレーを演奏した。そのとき初めて聞いたHighway Star、Burn、Smork on the waterなどは、当時の私の耳を驚愕させた。な、なんだこの音は!

 まあ、結局、自分では演奏しなかったものの、聞きやすさや、ハードロックとしては流れのいいメロディーなどから、嫌いではなく、その後もよく耳にしたものだ。自分がちょこっとキーボードを弾くこともあり、ハモンドオルガンを歪ませて弾くジョン・ロードの音を耳で拾ったこともある。が、しかしである。やっぱりPURPLEは、リッチー・ブラックモアのリードギターが「華」というものだ。うまい・下手は別として、やっぱり存在感がある。

 で、今朝の話に戻るのだが、車のラジオで流れ出したHighway Starは、イントロの本当の初めからだった。なんとなく、昔を思い出し、アクセルにも力が入る(笑)。1番が終わり、2番へ。そしてオルガンソロが始まる。続いて3番の歌。さあ次だ。リードギターの登場だ。と思ったとき、なんとHighway Starがフェードアウトしていくではないか。「ぬわんだとお!」私は車中で叫んだ。なんでここでフェードアウトなんだ。最後までかけろとは言わないが、なぜここで、この場所でフェードアウトなんだあああ。

 たぶん、CMを入れるタイミングを計っていたのだろう。それがたまたま、ここだったのだろう。歌の途中で切るのは忍びないとのディレクターの判断だったのだろう。でも、なんでここなの? せめて4小節でもいいから、リードギターを聞かせろよ。ボーカルのシャウトとハモンドオルガンの歪み、そしてあの、これでもかと歪ませたストラトキャスターの音が渾然一体となって、はじめてHighway Starだろうがあ。

 とまあ、おじさんが叫んでもしょうがないのだが、なんだかその後は、妙に寂しくなった。これもジェネレーション・ギャップというものだろうか。ディレクターが私の世代の人だったら、ギターソロの前でフェードアウトするなんてことは、絶対にしなかっただろうになあ……。

copyright : Masaru Inagaki(20040630)

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