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Mac &
マクロウイルスがやってきた
稲垣 優

 数日前、久しぶりにウイルスとご対面した。とはいえ、顔を見たわけではないけどね(笑)。

 マクロウイルスって知ってる? 私も詳しくは知らないけど、どうも、ソフトのマクロ機能にくっつくらしい。で、私の知る範囲では、MicrosoftのWordなんかのファイルにくっついて伝染するのが有名らしいのだ。

 もともとウイルスってのは、言ってみれば人間が作ったプログラムなわけで、細菌でもなんでもない。初めてコンピュータ・ウイルスって言葉を聞いた人の多くは「コンピュータにも細菌が入るの?」なんて神妙な顔で言ったりする。そうじゃないんだよね。ご存じの方も多いだろうけど、コンピュータ・ウイルスは、勝手に広がっていくプログラム。自然界のウイルスとその辺が似ているので「ウイルス」と呼ばれる。

 で、今まででもパソコン通信やインターネットの世界では、ウイルスに対する警戒が強かった。特にフリーウエアなんかがダウンロードできるところでは、なおさらだったように思う。大手商用パソコン通信のNifty-Serveでは、ダウンロード可能なファイルは、必ずウイルス・チェックをかけてから公開しているし、会員にも「見知らぬ人からのバイナリー・メールにはご注意を」と呼びかけていた(最近そういうメールがこないけど)。

 私もNiftyには、かなりお世話になったほうなんで、その辺りの防ウイルス意識は、それなりに持っているつもり。だからインターネットからのダウンロードファイルは、ゲット時にウイルス・スキャンするようにしている(SAMというウイルス検知・削除ソフトにそういう設定があるのです)。

 ただ、ウイルスに関するデマも結構多い。「不幸の手紙」よろしく、ウイルスのデマ情報をメールで流す。で「この内容を少しでも多くのお友達に知らせて下さい」なんていう。するとそれを真に受けた人が、せっせとメールを書く。かくしてデマは広がっていくというわけだ。

 しかし、そうしたデマに乗せられる人を責めることはできない。みんな「善意」でメールをばらまくんだから。悪いのは、デマを流した張本人だ。とはいえ、やっぱりデマは広がらない方がいい。妙な不安を人々に植え付けるからね。

 さて、私のところへやってきたウイルスの話だが、こいつは仕事で送ってもらったデータに入っていた。そのデータは、Microsofot WordのWord形式のファイルだった。で、添付書類になっているそのデータを受けたとき、突然SAMが大声を出した。ウイルスがいるというのだ。焦ったね。天災とウイルスは忘れたころにやってくるってなもんで、今までウイルスなんて全く忘れていたけど、SAMが突然思い出させてくれた。ワンワン警告音を鳴らし、真っ赤な文字で「感染しています」と示してきた。

 こういうときサムは、感染ファイルをどうするか聞いてくる。もちろん「削除」を推奨する。すぐに削除してしまえば(つまり開かずに捨てれば)伝染しないはずだ。私は当然のように「削除」ボタンを押した。メールは残ったが、添付書類は消えてしまった。その後、念のためにウイルス・チェックをしておいた。問題はなさそうだ。たぶん大丈夫だと思う。

 すぐにデータを送付してくれた相手先に電話をし、事の顛末を話す。向こうでもウイルス・チェックをしてもらう必要があるし、もしヤツがいるなら早急に削除する必要があるからだ。少しでも被害を少なくしなくてはならない。伝染をくい止めなくてはならないんだ。

 で、当のファイルは、結局プレーンなテキストファイルにして送り直してもらった。もちろんSAMは、静かにパスしてくれた。

 この世にコンピュータ・ウイルスがあるということは、それを作ったヤツがいるということだ。クリスマスの日に何かメッセージを出して、そのまま消滅してしまうようなウイルスならまだしも、システムをクラッシュさせたり、ファイルを消すなど悪いことをするヤツもいるという。こんなのをはびこらせてはいけない。みなさんもぜひ、ウイルスに対する意識を強く持ってね。

 Winの方は詳しくないけど、Mac用のウイルス検知・駆除ソフトとしては、シマンテック社のSAM(Symantec Anti Virus for Macintosh)が有名。以前はVirexってのもよく聞いたけど、最近、私はあんまり聞いていない。またその昔、Gate Keeperってのもあったけど、これってどうなったんだろうか。結構使い方が難しいなんて聞いたことがある。なお、SAMやVirexなどは製品版だけど、フリーウエアとしてDisinfectant(ディスインフェクタント)ってのもある。某大学の人が作ってるらしいんだけど、新しいウイルスが出ると、即座に対応して世界中にばらまくみたい。ただしこっちは、何か一つか二つのウイルスには対応していなかったような気がするけど、今はそんなことないのかな? 確かHyper Cardのウイルスには未対応だったような……。すんません。間違ってるかもしれません。

 てなことで、今回はウイルスの話。あんまり面白い話題じゃないけど、やっぱネットワークを使ったり、人とデータのやりとりをする(FDなどで)以上は、避けて通れないことだもんね。くわばら、くわばら……。

※ウイルスについての詳細がシマンテックのホームページにあります。興味のある方は行ってみてください。

http://www.symantec.co.jp/sarcj/avcenter/

copyright : Masaru Inagaki(1998.3.27)

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